本研究所はその創設以来、社会学・法学・政治学・経済学という各々の専門分野を持つ研究者が理論・実証研究を進めてきた。また過去の全所的プロジェクトでは、一つのテーマに対して共同してアプローチし、多くのすぐれた研究成果をうみだしてきた。本サブプロジェクトでは、これら理論・実証研究とは異なり、「社会科学とは何か?」という問いに対して正面から取り組む。もちろんこのような問いは、科学哲学の一分野が伝統的に扱ってきたものである――それゆえ、プロジェクト名もその伝統にのっとっている――。本プロジェクトは、科学哲学者がいわば大所高所的な立場から論じてきた社会科学に関するさまざまな存在論的・認識論的・方法論的問題群を、実証分析の経験を有する社研の所員がなんらかの解答を与えようとする試みである。
具体的には、以下のようなメタレベルのトピックについての理解を深め、分析をおこなっていく予定である。
- 自然科学と社会科学
- 社会科学における統計的因果推論と政策形成
- 社会科学における科学的実在論(scientific realism)
- 法学と社会科学のインターフェース
- 社会科学における理論群の歴史的変遷
- 社会科学におけるパラダイム・シフト
研究会メンバー(五十音順、2021年11月現在) 飯田高 東京大学社会科学研究所教授 石田浩 東京大学社会科学研究所特別教授 加藤晋 東京大学社会科学研究所教授 田中隆一 東京大学社会科学研究所教授 藤谷武史 東京大学社会科学研究所教授 保城広至 東京大学社会科学研究所教授(研究会リーダー)
活動内容
- 2024年10月15日ワークショップ
- 第34回ワークショップ アナキーと帝国:世界征服者と国際システム
- 2023年2月 7日その他のイベント
- 2022年度第4回研究会開催(社会科学の哲学)報告者・倉田剛(九州大学)
- 2022年11月 1日ワークショップ
- 第14回ワークショップ:「歴史記述による経済理論の構築にむけて:Constructing Economic Theory Through Historical Thick Description」
- 2022年6月23日その他のイベント
- 2022年度第2回研究会開催(社会科学の哲学)報告者・田口雄一朗
- 2022年5月17日ワークショップ
- 第11回ワークショップ:「KKV論争の後で、質的研究者は何を考えるべきか?: What should qualitative researchers consider after the KKV controversy?」
- 2022年3月 4日その他のイベント
- 第5回研究会開催(社会科学の哲学)報告者・清水雄也(京都大学)
- 2021年12月15日その他のイベント
- 第4回研究会開催(社会科学の哲学)報告者・大塚淳(京都大学大学院文学研究科)
- 2021年10月18日その他のイベント
- 第3回研究会開催(社会科学の哲学)
- 2021年8月 4日その他のイベント
- 第2回研究会開催(社会科学の哲学)
- 2021年5月18日その他のイベント
- 第1回研究会開催(社会科学の哲学)
- 2021年5月18日ワークショップ
- 第2回ワークショップ:「科学的実在論と国際関係理論:Scientific Realism and Quasi-intervention in Social Sciences; the case of "audience costs" in international crises」