2021年より、東京大学社会科学研究所の新たな全所的プロジェクト研究「社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか」が発足しました。このプロジェクトは、AIやビッグデータによる方法的革新によって、社会科学がどのように変化しているかを再検討するものです。
その際とくに、多様な社会科学が、事象のみならず主観的な価値や選好をいかに「測る」かに注目します。このことを通じて多様な価値を可視化し、社会状況を理解するとともに、「測る」ことの誤用や政治的利用をチェックすることがその目的です。
この全所的プロジェクトは、「測ること」の社会科学、COVID-19と社会科学、法学の方法、社会科学の哲学、思想と歴史の5つのサブプロジェクトから構成されます。各サブプロジェクトは相互に連携しつつ、協働して最終的な成果を目指します。さらに理系を含む東京大学内の他部局の研究者とも連携し、新たな文理融合の学問の可能性を模索します。プロジェクト期間は4年を予定しています。
このプロジェクトは、社会科学研究所が創立75周年を迎えるにあたって、あらためて社会科学の方法それ自体を対象に据え、21世紀の今日にふさわしい社会科学のあり方を再検討することを目指します。
プロジェクトリーダー
宇野 重規