物事を客観的に示したり比較したりしようとする場合、私たちは「測る」という方法をしばしば用います。社会科学もその例に漏れず、直接には量的に捉えられないものを数値などの分かりやすい形で表現するために試行錯誤を重ねてきました。
現在、利用可能な情報やデータの急激な増加、分析手法の発達、客観性や透明性の確保に対する要請の高まりなどを背景として、数量化が私たちの生活の至るところにますます浸透してきています。こうした変化は、社会科学の研究方法のみならず、人々の考え方や社会のあり方にも多大な影響を及ぼすかもしれません。
以上のような認識のもと、社会科学の方法論の再検討を交えつつ、さまざまな観点から「測ること」を考えます。たとえば次のような問いに取り組む予定です。
- 「測定」ないし「数量化」は、社会をどのように改善してきたのか。あるいは、どんな弊害を社会にもたらしてきたのか。
- 数値に囚われることなく「測る」ことを活用していくためにはどうすればよいか。
- 理想的な測定方法はあるのか。あるとすれば、それはどういうものか。
- 「測る」ことは、将来の私たちの生活や社会に対していかなる影響をもたらすのか。
- 測れるものと測れないものの境界はどこにあるのか。
研究会メンバー(五十音順、2023年2月現在) 有田伸 東京大学社会科学研究所教授 飯田高 東京大学社会科学研究所教授(研究会リーダー) 石原章史 東京大学社会科学研究所准教授 藤原翔 東京大学社会科学研究所准教授 森本真世 東京大学社会科学研究所准教授 柳愛林 九州大学法学研究院准教授
活動内容
- 2023年12月18日ワークショップ
- 第23回ワークショップ:「When are 2 Observations Sufficient?: Revisiting the Method of Difference for Individual Treatment Effects」
- 2023年11月11日その他のイベント
- 第8回研究会開催(測ることの社会科学)
- 2023年7月14日ワークショップ
- 第20回ワークショップ:「Machine-learning human rights: an empirical study of constitutions around the world in 1900-2020」
- 2023年6月 1日その他のイベント
- 第7回研究会開催(測ることの社会科学)
- 2022年12月20日ワークショップ
- 第15回ワークショップ:「How Do Political Conflicts Shape Economic Relations? Introducing Big Data-Based and Survey-Based Approaches」
- 2022年11月 8日その他のイベント
- 第6回研究会開催(測ることの社会科学)報告者・松村一志(成城大学文芸学部)
- 2022年9月22日その他のイベント
- 第5回研究会開催(測ることの社会科学)
- 2022年7月28日その他のイベント
- 第4回研究会開催(測ることの社会科学)
- 2022年6月21日その他のイベント
- 第3回研究会開催(測ることの社会科学)報告者:柳愛林(東京大学社会科学研究所)
- 2022年5月20日その他のイベント
- 第2回研究会開催(測ることの社会科学)報告者:清水裕士 (関西学院大学社会学部)
- 2022年1月17日その他のイベント
- 第1回研究会開催(測ることの社会科学)
- 2021年11月16日ワークショップ
- 第6回ワークショップ:「「測定」に関するいくつかの問題提起:Some social scientific issues about "measurement"」