第13回危機対応学トークイベント報告
トークイベント「地域課題の解決に取り組む団体を応援する仕組みづくり」(主催:危機対応研究センター)を、9月4日(土) に釜石会場(釜石市役所会議室)と東京や新潟など各地をオンラインで繋ぎ、開催いたしました(参加者計30名:釜石会場11名+オンライン19名)。
今回のトークイベントでは、まず釜石市役所より「釜石ふるさと寄附金」の仕組みについてご紹介があり、その後、「釜石ふるさと寄附金」の指定団体である一般社団法人United Green代表の山田周生氏と「すなどり舎」代表の齋藤孝信氏に現在の取組をご発表していただきました。その後、発表者のお二方とモデレーターの玄田有史(東京大学社会科学研究所教授)と中村寛樹(東京大学社会科学研究所准教授)と共にトークセッションを実施しました。トークセッションでは、登壇者に所縁のあるフロアの参加者も登壇し、感想やコメント、質問などを頂き、和気あいあいと大変盛りあがった回となりました。
今回は、「お金や人材などの活動資源の課題」や、「いかに持続的に事業を実施していくかという課題」、また「シビックテックなどのテクノロジーの活用について」といったテーマを絞っての直接的な議論は実施しませんでしたが、様々なご自身の体験・経験をもとに、釜石の特長を最大限生かし、地域根差した活動を長く続けてこられたお二人のご発表からは、上記のテーマに関しても大きな示唆を得ることができました。
例えば、具体的なキーワードや論点として、「釜石は何もないと地域の方は言われることも多いが、外から移住して事業活動をしていくと、山も川も海もあって、全てがあるように感じる」、「事業活動を発展させていくために、まず自分たちの「衣・食・住・エネルギー」をまかなう事業をする」、「地域や自分たちの事業を支えるファンを増やす」、「実際に現地に来て体験してもらう(ふるさと寄付金への体験型返礼)」、「コロナでオンラインなど人と人が接する機会が失われてきており、今後は現地での体験が大きな意味を持つようになる」などがあげられました。
本トークイベントでは、次回も引き続き「釜石ふるさと寄附金」の指定団体の方々に取り組み紹介をして頂き、それをもとに自由に議論をすすめ、「地域課題の解決に取り組む団体を応援する仕組みづくり」を考えていきたいと思います。
なお、参加者への事後アンケートでは、「団体の活動を知ることができてよかったです。頭が下がります。」、「山田さん、斉藤さんの活動について、もっと知りたいと思いました。あっという間に時間が過ぎました。どうもありがとうございました。」、「今回、山田様・齋藤様の活動を伺いまして、環境の面そして地元の方々を巻き込む事で、サステナビリティを実現出来るのでは、と思いました。このような素晴らしい活動を伺える場は貴重であり、また更なる地域の方を巻き込む場であればと願います。」などのご感想を頂きました。ご参加いただいた全ての皆さまに、あらためて深くお礼を申し上げます。
(文責・中村寛樹)