第12回危機対応学トークイベント報告

2021年5月31日

 5月29日(土)、釜石市役所会議室と東京、新潟、福井など全国各地をオンラインで繋いだハイブリッド方式により、危機対応研究センター主催によるトークイベント「『シビック・テック』や『ソーシャル・ビジネス』などの地域課題の解決に取り組む団体を応援するしくみづくり」を開催しました。

 今回のトークイベントでは、「釜石ふるさと寄附金」の指定団体の一つである一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校の伊藤聡氏に具体的な現在の取組等を紹介していただきました。

 その後、モデレーターの玄田有史(東京大学社会科学研究所教授)と中村尚史(東京大学社会科学研究所教授)、中村寛樹(東京大学社会科学研究所准教授)と共に事業実施における「シビック・テック」や「ソーシャル・ビジネス」の活用方法、地域課題の解決に取り組む団体を応援する仕組みづくりについて議論しました。フロアからもたくさんの質問が寄せられ、白熱した議論が展開されました。

 地域貢献をする非営利活動法人などの地域団体は、活動資源(特にお金)に困っていることが多く、いかに持続的に事業をするかという課題について、「お金がないからシビック・テックができないわけではない。むしろお金がないからシビック・テックで工夫して課題解決する」や、「寄付はお金に限らない。情報(やスキル)も寄付」、「地域を担う人材は、地域で育てる」、「高齢者、大人を動かすためには子どもから動かす」といった論点・意見が提示されました。

 また、過去のトークイベントでも重要な視点として提示された「地域の小ネタ」や、「フットパス」、「インパクト評価・指標」、「成果を測る」、「見せ方」といった多様なキーワードが議論の過程であげられ、今後のトークイベントのテーマとして、また地域団体が実際に事業を進めていくうえで重要な、新しい視座も得られました。本トークイベントでは、今後、「釜石ふるさと寄附金」の他の指定団体の皆様にも取り組み紹介などをして頂きつつ、これのテーマについても、取り組んでいきたいと思います。

 今回の参加人数は、オンライン参加33名、釜石会場参加8名の計41名です。ご参加いただいた全ての皆さまに、あらためて深くお礼を申し上げます。

(文責・中村寛樹)