5月19日に釜石市で危機対応学トーク・イベントを開催しました
2018年5月22日
5月19日(土)、釜石市情報交流センター・ラウンジにおいて、危機対応研究センター主催によるトーク・イベント「オーラル・ヒストリーで社会の記憶を紡ぎ直す」を開催しました。
ゲストには、経済・労働分野で約15年にわたり、オーラル・ヒストリー(「口述史」、「聞き書き」)を研究している法政大学キャリアデザイン学部の梅崎修氏をお招きしました。
梅崎氏は、研究内容についての自己紹介ののち、「社会の記憶」を紡ぐ方法について、「集合的記憶論」や「身体に埋め込まれた記憶」、「記憶の場(place)」に関する様々な議論を紹介しつつ、記憶を繋ぐことの重要性を論じました。その内容をふまえて、フロアーの皆さんと、釜石市が災害を繰り返し経験する中で先人たちの残してくれたシンボルや伝承が、3.11でどのように活かされたのか、また、活かされなかったのか、震災から得た教訓を次世代に伝えていくために何が必要なのかについて議論しました。
議論は、梅崎氏とモデレーターの中村尚史の意見交換に、釜石市民の皆さんが新しい着想を提供する形で、大いに盛り上がりました。とくに「人々が記憶を思い出す『場』」や「地域社会の中での記憶の共有・分担」などについて、極めて有意義な着想を得ることが出来たと思います。
今回の内容は、危機対応研究センターが現在進めている危機対応学「釜石調査」に活用していきます。その成果は改めて釜石市民の皆さんに共有し、この調査が釜石市をはじめ全国の皆さんのお役に立つことができるよう、引き続き研究を深めていきます。
当日は、約30名の方にご来場いただきました。ご参加の皆さん、ありがとうございました。