釜石市で危機対応学トーク・イベントを開催しました
5月11日(土)、釜石市情報交流センター・ラウンジにおいて、玄田有史、中村尚史、宇野重規(以上、社会科学研究所教授)のモデレートにより、危機対応研究センター主催のトーク・イベント「スポーツイベントと危機対応」を開催しました。
今回は、「福井しあわせ元気国体・障スポ」で責任ある役割を担っていた白嵜淳(すなお)氏(福井県国体推進局企画幹)をお招きしました。
白嵜氏は、大規模イベントにおいては、あらゆる事態を想定し事前の危機対策(エンジニアリング)に最善を尽くすことが大前提であるものの、それでも開催中に様々な危機が必ず生じることを指摘しました。
その具体例として、障スポの開会式では、県民にマイカー運転の自粛を要請し、交通量を約4割減少させたのにも関わらず、歩道歩行者の想定外の動きにより渋滞が発生し、観客が間に合わなくなりそうな事態が発生したことを挙げました。
そして、重要なのは、生じている危機を的確に把握し、個人的な人脈や例外的な施設の活用などあらゆる手段の中から使えるものを速やかに選択し対応すること(ブリコラージュ)だと述べました。さらに、場合によってはやりすごすこともブリコラージュだと述べました。
こうして、つつがなく大会を運営した白嵜氏の危機対応に対するモチベーションは、「健常者にも障害者にも、満員の会場の中で思いっきりプレーをしてほしい」ということでした。
釜石市では、本年度、ラグビーワールドカップ2019TMが開催されます。白嵜氏の言葉を受けて、会場には「この世界大会を成功させたい。来釜する人たちが満足する大会になってほしい」という大会関係者など約30名の来場者の意欲がみなぎり、危機対応をさらに深く考えるきっかけにつながったようです。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。