所員の著書
大沢真理
『生活保障のガバナンス—ジェンダーとお金の流れで読み解く』
(有斐閣, 2013年12月)
2013.12.20更新
序論 危機や災害に脆い社会
1 本書の問題意識と課題
2 生み育てること,生きのびることの困難
3 本書の構成
第1章 所得の格差・動態にかんするデータ ミクロとマクロ
1 貧困を把握しようとしなかった
2 全国消費実態調査に固執
3 本書が使用するデータと加工法
第2章 生活保障システムというアプローチ
1 生活を支える財・サービスの生産とお金の流れ
2 生活保障システムとニーズ
2.1 生活保障システムをどう捉えるか
2.2 生活保障システムの形成をどう捉えるか
2.3 ニーズをどう捉えるか
3 生活保障システムの機能
3.1 システムの機能:ガバナンスとプロセス
3.2 生活保障のガバナンスの指標:所得貧困の有効性
3.3 若干のまとめと生活保障システムの特徴
第3章 福祉レジーム論をふりかえる
1 20世紀福祉国家の特徴
2 比較福祉国家/レジーム論とその限界
3 福祉レジーム論に欠落するもの
第4章 生活保障システムの3類型と日本
1 生活保障システムの3類型
2 強固な「男性稼ぎ主」型としての日本 その構成要素とガバナンス
2.1 構成要素:4つの生産関係にそくして
2.2 1980年代日本の生活保障のガバナンス
3 小括
第5章 「失われた20年」のガバナンスの推移
1 雇用パフォーマンス
1.1 労働力率
1.2 失業率
1.3 自営業の状況
1.4 非正規化
1.5 制度的な雇用保護
1.6 国民所得の構成
1.7 性別・年齢階級別の賃金
1.8 福利厚生費
2 再分配というガバニングとその効果
2.1 歳入
2.2 歳出と公的社会支出など
2.3 貧困率と貧困削減率
3 本章の要点
第6章 「失われた20年の始まり」 1990年代のガバニング
1 長期経済停滞と少子高齢化
2 雇用のリストラと結婚のリストラ
2.1 雇用のリストラ:経営側のガバニング
2.2 結婚の先送りと消費抑制:家族のガバニング
3 「男性稼ぎ主」型に固着したガバニング 生活大国5カ年計画から橋本6大改革へ
3.1 生活大国5カ年計画と21世紀福祉ビジョン
3.2 橋本6大改革と「男女共同参画」
4 1990年代日本の生活保障システム 構成要素とガバナンス
4.1 構成要素
4.2 1990年代日本の生活保障のガバナンス
5 本章の要点
第7章 小泉改革とはなんだったか 2000年代のガバニング
1 小泉内閣のガバニング
2 「筋肉質の経済構造」がもたらしたもの 雇用の非正規化と社会保障制度の空洞化
2.1 雇用と失業
2.2 社会保険制度の空洞化と逆機能
2.3 構造改革から機能強化へ?:ポスト小泉の社会保障改革論
3 2000年代日本の生活保障システム 構造改革というガバニングとガバナンス
3.1 逆機能する生活保障システム:1990年以来の政府のガバニング
3.2 日本の貧困者とは誰か:最新の調査研究が示す事態
3.3 地域間の経済格差は
第8章 生活保障システムの比較ガバナンス 2000年代の日本の座標
1 4つの生産関係の量的質的な関連
2 雇用パフォーマンス
2.1 全般的な雇用の安全保障
2.2 失業リスク,パート化,労働費用
3 小さな福祉政府の特質
3.1 社会支出の構成
3.2 公的年金制度の特徴
3.3 高齢者介護サービス
3.4 「最後のよりどころ」と子どもの居住剥奪
4 生活保障のガバナンスを比較する
4.1 ジニ係数に見る所得不平等:2005年と09年のジニ係数
4.2 2000年代後半の貧困率と貧困削減率
5 本章の要点
終章 グッド・ガバナンスに向けて
1 本書の要点
2 再構築への示唆
3 今後の研究課題
引用文献
索引