所員の著書
菅野和夫・仁田道夫・佐藤岩夫・水町勇一郎(編著)
『労働審判制度の利用者調査 -- 実証分析と提言』
(有斐閣, 2013年3月)
2013.03.15更新
第I部 序論
第1章 雇用労使関係の変化と労働審判制度の意義
菅野和夫
I 雇用労使関係の変化と労働審判制度の成立
II 労働審判制度以降—紛争解決制度の紛争掘り起こし効果
III 雇用労使関係における労働審判制度の意義
IV むすび—今後の研究課題は?
第2章 労働審判制度利用者調査の概要
佐藤岩夫
I 労働審判制度利用者調査の概要
II 回答者の立場、事件種別、労働審判手続に至る経緯
III 労働審判手続の申立理由と請求内容
IV 手続および手続関与者の評価
V 結果の評価
VI 弁護士の評価
VII 労働審判手続で重要と考える特徴
VIII むすび
第II部 利用者からみた労働審判制度(分析編)
第3章 労働審判制度利用者の動機と期待
飯田 高
I はじめに
II 審判利用動機の構造
III 事件類型と動機・期待
IV 動機・期待と結果に対する評価
V まとめと結語
第4章 労働審判制度の基本的特徴の検証
−−迅速性・専門性・適正性
佐藤岩夫
I はじめに
II 労働審判制度に対する評価の全般的概観
III 迅速性—迅速な解決と審理の充実
IV 専門性—労働審判員および労働専門部の効果
V 紛争の実情に即した適正な解決
VI まとめ
第5章 金銭的側面からみた労働審判制度
高橋陽子
I はじめに
II 労働審判(調停・審判)雇用終了関係事件の解決水準
III 労働審判における弁護士の意義と役割
IV 考察
第6章 労働審判制度に対する当事者による評価の全体構造
今在慶一朗
I 分析の視点
II 分析結果
III 分析結果からの示唆
IV モデルの修正とまとめ
第7章 民事訴訟利用者調査との比較
菅原郁夫
I はじめに—本稿の目的
II 民事訴訟利用者調査について
III 民事訴訟と労働審判の比較
IV 労働審判から民事訴訟への示唆
第8章 労働審判紛争の社会的構造
−−問題定義の記述形式を通じて
樫村志郎
I 本稿の課題
II 方法—記述データとしてのインタビュー記録
III 労働審判紛争における初期の問題定義の形式的構造
IV 結論
第III部 労働審判制度のこれからを考える(提言編)
第9章 労働審判制度の意義と課題
−−労働法学の視点から
水町勇一郎
I はじめに—本稿で何を明らかにするのか?
II 労働審判の申立ての経緯・背景にはどのような特徴があるか?
III 労働審判制度のねらいは実現されているか?
IV 労働審判における解決水準は高いか低いか?
V 労働審判の結果について利用者はどう評価しているか?
VI 労働審判制度において弁護士はどのような役割を担っているか?
VII むすび—本稿で明らかになったことは何か?
第10章 労働審判制度の実務と可能性
−−裁判官の立場から
渡辺 弘
I はじめに
II 労働審判制度の高評価の要因
III この利用者調査からみた労働審判手続に相応しい事件
IV 代理人である弁護士の果たす役割
V 裁判官(労働審判官)の果たす役割
VI 労働事件以外の民事事件への労働審判的審理方式の応用
第11章 労働審判制度の実務と課題
−−労働者側弁護士の立場から
宮里邦雄
I 労働審判制度の周知
II 申立事件の選択と労働審判の窓口
III 調停と事件の審理・権利関係の判断
IV 解雇紛争の解決のあり方
V 弁護士依頼と弁護士費用
VI 許可代理の活用
VII 関係者の同席
VIII 取扱い裁判所の拡大
IX 労働審判員の養成と教育
X 労働審判員のアンケート調査を
第12章 労働審判制度の実務と課題
−−使用者側弁護士の立場から
中山慈夫
I 労働審判制度の特徴および実際の審判手続の評価について
II 労働審判の結果の評価について
III 労働審判の申立てまでの使用者側の事情
IV 労働審判の解決金水準(雇用終了関係事件)
V 弁護士の役割について
VI 利用者調査と今後の労働審判制度について
第13章 労働審判制度と日本の労使関係システム
−−労使関係論の視点から
仁田道夫
はじめに
I 日本の個別労働紛争解決システム
II 労使評価差からみえてくるもの
III 労働審判認知プロセスと「未組織経営者」問題
結び
第14章 労働審判制度から民事訴訟制度一般へ
−−民事訴訟法の視点から
山本和彦
I 民事訴訟法からみた労働審判制度の意義と特徴
II 労働審判制度利用者調査の結果に対するコメント
—民事訴訟利用者調査の結果との対比を中心に
III 労働審判および民事訴訟の今後への示唆
<巻末資料>調査項目表(略語表)
さくいん(事項索引)