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スタッフ

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有田伸 (ARITA Shin)

所属部門 比較現代社会部門 教授
専門分野 比較社会学(教育・労働市場・社会階層)
e-mail sarita[at]iss.u-tokyo.ac.jp
[at]を@に置き換えてください。

経歴

2009年4月 - 
2012年3月
東京大学社会科学研究所准教授
2010年8月 - 
2011年6月
米国スタンフォード大学
貧困・不平等研究センター客員研究員(安倍フェローシップ)
2012年4月 - 東京大学社会科学研究所教授

研究テーマ

1報酬格差とその正当化メカニズムの比較社会学
Comparative Sociology of Reward Inequality and its Legitimation
個人間,あるいは個人の属性の差異には帰せられない社会や組織の「ポジション」間での報酬の格差がそれぞれの社会においてどのように存在し,再生産されているのかを比較社会学の視角に基づき考察していく.具体的には,個人やポジションの属性に対する想定や意味付与が報酬格差をどのように「正当化」しているのかに焦点を当て,そのメカニズムを雇用・教育・生活保障システムの特徴と関連付けながら実証的に解明していく.本研究は文部科学省科学研究費補助金(基盤研究A)研究プロジェクト「国際調査を通じた報酬格差の受容・正当化メカニズムの比較社会学研究」(2020~2024年度,研究代表者 有田伸)の一環として行われる.

2日本・韓国・台湾における教育・労働市場と社会階層
Education, Labor Market and Social Stratification in Japan, Korea, and Taiwan
日本,韓国,台湾など東アジア社会の階層構造の特徴を,比較の観点から検討する.その際,教育システムや労働市場の諸特徴,特に職業能力の涵養と評価の仕組みの特徴とそれが及ぼす影響に着目し,新規学卒者の労働市場参入や就業者の転職プロセスなどに焦点を当てた分析を行っていく.

3労働市場の社会学的研究
Sociological Analysis of the Labor Market
制度的条件の影響,特にそこにおいて評価される能力/スキルの社会的構築の側面にも留意しながら,労働市場の構造と動態についての社会学的研究を行う.

4地域研究と社会科学の関係について
Relationship between Area Studies and Social Sciences
地域研究と社会科学のより望ましい接合の可能性を模索し,実践する.

主要業績

  • 「韓国社会における課外授業問題と『7.30教育改革措置』」『年報地域文化研究』2, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, 1999年3月, 1-19頁.
  • 「1980年代韓国社会における大卒者急増現象と賃金構造の変動」『年報地域文化研究』3, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, 2000年3月, 43-61頁.
  • 「한국사회에서의 대학진학수요 결정요인에 관한 시계열 분석」(韓国社会における大学進学需要決定要因に関する時系列分析)『国際高麗学』7, 2001年3月, 203-217頁.
  • 「韓国における中間層の生成過程と社会意識」服部民夫ほか編『アジア中間層の生成と特質』アジア経済研究所, 2002年2月, 37-73頁.
  • 『学歴・選抜・学校の比較社会学——教育からみる日本と韓国』(中村高康・藤田武志と共編著)東洋館出版社, 2002年3月, 276頁.
  • “The Growth of the Korean Middle Class and Its Social Consciousness,” The Developing Economies, 41(2): pp.201-220, Jun, 2003.
  • “Impact of Globalization on Social Mobility in Japan and Korea: Focusing on Middle Classes in Fluid Societies,”(with Yoshimichi Sato) International Journal of Japanese Sociology, 13: pp.36-52, Nov, 2004.
  • 「韓国における職業評定の分析——日本との比較を中心に」園田茂人編『東アジアの階層比較』中央大学出版部, 2005年3月, 25-57頁.
  • “A Comparative Study of Occupational Aspirations in Korea and Japan,” KEDI Journal of Educational Policy, 2(1), Jun, 2005, pp.51-68.
  • 「직업의식과 교육열의 한일 비교연구:고등학생의 직업희망과 교육체제」(職業意識と教育熱の韓日比較研究:高校生の職業希望と教育システム)李鐘珏編『한국의 교육열, 세계의 교육열:해부와 대책』(韓国の教育熱、世界の教育熱:解剖と対策)ソウル: 図書出版夏雨, 2005年7月, 427-451頁.
  • 『韓国の教育と社会階層——「学歴社会」への実証的アプローチ』東京大学出版会, 2006年3月, 336頁. (第28回発展途上国研究奨励賞, 第6回日本社会学会奨励賞(著書の部), 第2回日本教育社会学会奨励賞(著書の部)受賞)
  • 「経済危機後の韓国における教育達成意欲と『教育機会の平等』」『現代韓国朝鮮研究』6: pp.1-8, 2006年11月.
  • 「職業移動を通じてみる韓国の都市自営業層——経済危機後の変化の考察を中心に」奥田聡編『経済危機後の韓国—成熟期に向けての社会経済的課題』アジア経済研究所, 2007年1月, 25-57頁.
  • 「지위달성과 선발 시스템의 한일 비교」(地位達成と選抜システムの韓日比較)『遂行人文学』37(3), 漢陽大学校遂行人文研究所, 2007年11月, 73-93頁.
  • 「세계화,지역제도, 그리고 중간계급: 중간계급의 사회이동에 관한 일본, 한국 비교연구」(グローバル化、ローカルな制度、そして中間階級)(佐藤嘉倫と共著), 김용학ほか『동아시아의 사회적 포섭과 배제』(東アジアの社会的包摂と排除)延世大学校出版部, 2008年2月, 345-62頁.
  • 『2005年SSM調査シリーズ13 東アジアの階層ダイナミクス』(編著)2005年SSM調査研究会(科学研究費補助金成果報告書), 2008年3月, 232頁.
  • 「比較を通じてみる東アジアの社会階層構造—職業がもたらす報酬格差と社会的不平等」『社会学評論』59巻4号, 2009年3月, 663-681頁.
  • 「現代韓国社会における威信体系─社会階層論の視点から」『韓国朝鮮の文化と社会』8号, 2009年10月, 84-107頁.
  • 「変化の方向とパターンを区別したパネルデータ分析の可能性: 従業上の地位の変化がもたらす所得変化を事例として」パネル調査プロジェクト・ディスカッションペーパーシリーズNo.35, 東京大学社会科学研究所, 2010年3月, 24頁.
  • 「韓国の社会と教育制度—「教育機会の平等」を追い求めて」東京大学教養学部(編)『高校生のための東大授業ライブ 純情編』東京大学出版会, 2010年3月, 80-95頁.
  • “Structural Change and Inter/Intra-Generational Mobility in Self-Employment,” Yoshimichi Sato and Jun Imai (eds.), Japan’s New Inequality, Trans Pacific Press, February 2011, pp. 96-118.
  • 「非正規雇用概念の適用過程からみる韓国労働市場の『格差』」『社会科学研究』62巻3・4号, 2011年3月, 77-97頁.
  • 「高学歴化と若者の就業—日本・韓国・台湾における教育と世代の意味」樋口明彦・上村泰裕・平塚眞樹(編)『若者問題と教育・雇用・社会保障—東アジアと周縁から考える』法政大学出版会, 2011年3月, 3-30頁.
  • 「東アジアの社会階層構造比較—報酬・地位の違いを生み出す変数は何か?」石田浩・近藤博之・中尾啓子(編)『現代の階層社会2 階層と移動の構造』東京大学出版会, 2011年9月, 273-87頁.
  • “Social Stratification in East Asian Countries from an Institutional Perspective: Focusing on Positional Inequalities at the Labor Market” Proceedings of International Conference on “Internal Cleavages and Social Peace in East Asia” (Korean Sociological Association), June 2011, pp.67-96.
  • 「韓国高等教育の費用と収益に関する考察—高等教育拡大の影響に着目して」『教育費政策の社会学』科学研究費補助金(基盤研究A,研究代表者:矢野眞和)成果報告書, 2012年3月,253-71頁.
  • 「変化の向き・経路と非変化時の状態を区別したパネルデータ分析—従業上の地位変化がもたらす所得変化を事例として」『理論と方法』28巻,2013年3月,pp.69-85.
  • 「パネルデータを用いた正規職/非正規職間賃金格差の社会学的分析—『観察されない異質性の統制』の陥穽を超えて」東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクトディスカッションペーパーシリーズNo.68,2013年3月,19p.
  • 「韓国における『グローバル化に対応した人材』の育成政策とその枠組み—教育政策の考察を中心に」樋口美雄・財務省財務総合政策研究所(編) 『国際比較から見た日本の人材育成—グローバル化に対応した高等教育・職業訓練とは』日本経済評論社, 2012年10月, pp107-127
  • “Educational Expansion and Labor Market Entry of New Graduates in Korea and Japan.” in Hyunjoon Park and Kyung-keun Kim (eds.), Korean Education in Changing Economic and Demographic Contexts, Springer, 2013年12月, pp77-93.
  • 「パネル調査から見る満足度、希望と社会活動『働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(JLPS)2014』の結果から」(石田浩・藤原翔・朝井友紀子と共著)東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクトディスカッションパーパーシリーズNo.85,2015年2月.17p.
  • “Rewards Inequalities Generated by Educational Credentialism: A Comparison between East Asia and Western Countries,” (With Hirofumi Taki) Yoshimichi Sato(ed.) Socail Inequality, Socail Institutions, and Mobility Regimes, 科学研究費補助金成果報告書(基盤研究B, 研究代表者:佐藤嘉倫),March 2015. pp.169-184.
  • 「『働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(2014)』からわかる若年・壮年者の働き方・希望の意識・ボランティア活動」(石田浩・藤原翔・朝井友紀子と共著)『中央調査報』693号,2015年7月,pp.1-11.
  • 「非正規雇用の日韓関係史と日韓比較――被雇用者の分類枠組の伝播、土着化、そしてブーメラン化」磯崎典世・李鐘久編『日韓関係史1965-2015 Ⅲ 社会・文化』東京大学出版会,2015年10月,pp.245-271.
  • 『就業機会と報酬格差の社会学――非正規雇用・社会階層の日韓比較』東京大学出版会,2016年3月,265頁.
  • 『国際移動と移民政策――日韓の事例と多文化主義再考』(山本かほり・西原和久と共編)東信堂,2016年2月, 94頁.
  • 『日本の社会階層と報酬格差構造の比較社会学的研究』(今井順・多喜弘文・竹ノ下弘久・長松奈美江・永吉希久子・吉田崇と共著)科学研究費補助金成果報告書,2016年3月,170頁.
  • “Inequality in educational returns in Japan,”(with Yoshimichi Sato) Fabrizio Bernardi and Gabriele Ballarino (eds.). Education, Occupation and Social Origin: A Comparative Analysis of the Transmission of Socio-Economic Inequalities. Elgar, June 2016, pp94-113.
  • 「新卒一括採用制度の日本的特徴とその帰結─大卒者の「入職の遅れ」は何をもたらすか?」石田浩編『格差の連鎖と若者1 教育とキャリア』勁草書房,2017年3月,113-139頁.
  • “Inequality in educational returns in Japan,”(with Yoshimichi Sato) Fabrizio Bernardi and Gabriele Ballarino (eds.). Education, Occupation and Social Origin: A Comparative Analysis of the Transmission of Socio-Economic Inequalities. Elgar, June 2016, pp94-113.
  • 「韓国社会の高齢化とその帰結―年齢別労働力率を通じて考える」.『現代韓国朝鮮研究』.17.pp1-16.現代韓国朝鮮学会.2017.
  • 「職歴データにもとづく稼得歴の推定―職業経歴のトータルな把握と高齢者間格差の説明の試み」.森山智彦編『2015年SSM調査報告書 労働市場Ⅱ』2015年SSM調査研究会.pp1-21.2018
  • 働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(JLPS)2016」の分析結果にみる若年・壮年者の離家経験、長時間労働と家族形成、子ども保険への加入、危機への意識(後編)」(石田浩・三輪哲・小川和孝と共著)『中央調査報』.720.pp6301-6309.2017.
  • 「社会学から考える非正規雇用の低賃金とその変容」玄田有史(編).『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』.p310.pp251-266.慶應義塾大学出版会.2017.
  • “A Comparative Analysis of Social Stratification in Japan, Korea and Taiwan: Where is the Locus of Social Inequality?,” ISS Discussion Paper Series F-182, Feburuary 2017, 19p.
  • “패널 조사와 국제비교 조사를 통해 본 일본사회의 불평등: 한국과의 비교를 중심으로(パネル調査と国際比較調査を通じてみた日本社会の不平等:韓国との比較を中心に),” ISS Discussion Paper Series F-183, February 2017, 17p.
  • 「新卒一括採用制度の日本的特徴とその帰結─大卒者の「入職の遅れ」は何をもたらすか?」石田浩編『格差の連鎖と若者1 教育とキャリア』勁草書房,2017年3月,113-139頁.
  • 『危機対応学―明日の災害に備えるために』(玄田有史と共編)勁草書房,2018年9月,274頁.
  • “The Opportunity Structure of Local Employment of Japanese Workers in Hong Kong: A Perspective from Staffing Agencies”(with Kenji Ishida, Keiko Genji and Mei Kagawa)ISS Discussion Paper Series F-190.p19.2018.
  • “Advancing Sustainable Consumption in Korea and Japan: From Re-Orientation of Consumer Behavior to Civic Actions, ”(with Eunjung Lim, Soonhee Joung) Sustainability, Vol.11, November 2019, 22p.
  • “Structural and Institutional Aspects Surrounding Japanese Self-Initiated Expatriates'Career Opportunities in East and Southeast Asian Societies,”(with ISHIDA Kenji, GENJI Keiko, KAGAWA Mei) Economic and Social Changes: Facts, Trends, Forecast, Vol.12, No.5, November 2019, pp.175-191.
  • 「考えたくない事態にどう対応するか?――災害への備えとネガティブ・ケイパビリティ」 東大社研・玄田有史・飯田高編『危機対応の社会科学 下 未来への手応え』東京大学出版会,2019年12月,349-369頁.
  • 『人生の歩みを追跡する―東大社研パネル調査でみる現代日本社会』(石田浩・藤原翔と共編)勁草書房,2020年1月,282頁
  • “Education and Social Stratification in South Korea”, University of Tokyo Press, February 2020, 283p.
  • (임은정・新藤麻里と共著)「숙박공유서비스 도입 및 확장에 대한 한-일 사회적 논의 비교연구: 한-일 신문기사에 대한 네트워크텍스트분석을 중심으로 (宿泊共有サービス導入および拡張に関する日韓における社会的議論の比較研究:日韓新聞記事のネットワークテキスト分析を中心に)」『소비자문제연구(消費者問題研究)』Vol.51, No.1, 2020年4月, pp.1-34
  • 「社会学の視点から見る現代日本の『働く仕組み』」『学術の動向』第25巻第6号,2020年6月,pp.68-70
  • (仲修平と共著)「変化の向き等を区別したパネルデータ分析の実践:それでも使いたいあなたに」東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクトディスカッションペーパーシリーズ 134,2021年3月,pp.1-20
  • (数土直紀・白波瀬佐和子と共編)『少子高齢社会の階層構造3 人生後期の階層構造』東京大学出版会,2021年9月.256頁.
  • 「グローバル化は比較社会研究に何をもたらすか」國分功一郎・清水光明(編)『地球的思考:グローバル・スタディーズの課題』水声舎.2022年3月.149-173頁.
  • 「ネガティブ・ケイパビリティと新型コロナ感染という危機」『日本労働研究雑誌』729号.2021年4月.pp.90-94.
  • 「アジア社会の比較研究とはいったい何か―目的・プロセス・意義」『教育社会学研究』108巻.2021年7月.pp.19-38.
  • 「ポスト産業化時代の日本と韓国における格差問題」『国際問題』703号.2021年10月.pp.26-34.
  • "Asymmetric Analysis of Panel Data: When and Why Is It Necessary?" JLPS Project Discussion Paper Series, 152, March 2022, 13p.
  • (首藤若菜・ 田中秀樹・池田心豪と共著)「学会展望 労働調査研究の現在:2019~21年の業績を通じて」『日本労働研究雑誌』740号,2022年3月,pp.2-47.
  • (Kenji Ishidaと共著)"Contextual Obstacles to Entrepreneurship in Japan from the Perspective of the Overseas Japanese Self-Employed", Electronic Journal of Contemporary Japanese Studies, Vol.22, No.1, April 2022.
  • "Explanation of Socioeconomic Inequality Among the Male Elderly: An Approach Based on Estimated Income History", Sawako Shirahase (ed.), Social Stratification in an Aging Society with Low Fertility: The Case of Japan, Springer, August 2022, pp.173-191.
  • 「社会的地位としての職業」 数理社会学会数理社会学事典刊行委員会編 『数理社会学事典』丸善出版,2022年8月,318-321頁
  • (鈴木富美子と共著)「 結婚満足度はなぜ低下するのか―効果の非対称性とジェンダー差に着目して」 西野理子編 『夫婦の関係はどうかわっていくのか―パネルデータによる分析』ミネルヴァ書房,2022年12月,61-84頁

教育活動

東京大学大学院 総合文化研究科 「アジア社会比較発展論II」
東京大学大学院 人文社会系研究科 「日韓比較社会論」「日韓比較社会研究」
京都大学大学院 文学研究科・文学部 「社会学特殊講義」
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