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第10回研究会開催(思想と歴史)報告者:重田園江氏(明治大学)・押谷健(早稲田大学)

日時:2023年2月20日(月)15:00-16:40

場所:オンライン(Zoomミーティング)

タイトル:「道徳理論としての利己主義 : Egoism as a Moral Theory」

報告者重田園江氏(明治大学)・押谷健(早稲田大学)

対象:一般公開

報告要旨:利己主義(egoism)とは、自己利益の追求を人びとの実際の行動指針や規範原理の中心におくような理論一般を指している。この利己主義の理論は、「ホモ・エコノミカス」という人間像によって標準化され、近代以降の経済学のベンチマークとして大きな影響力を持つに至った。利己主義、あるいは、ホモ・エコノミカスを、どのように捉えるべきだろうか。社会契約論などで、契約時点での自己利益の追求によって義務や道徳を基礎づけようとする試みも存在する一方で、他者の利害や社会的関係を軽視する利己主義には批判も多くある。道徳学説として利己主義が持つ方法論的意義や実践的含意を批判的に検討していきたい。また、他者への関心を重視する標準的道徳学説と利己主義がどのように折り合いをつけられるのかについても検討する。