書籍

『政治哲学者は何を考えているのか?』

著者 宇野重規 編著、 加藤晋 編著
出版社 勁草書房
出版年 2024年2月

202402_seijitetsugaku.jpg概念分析と論理的整合性に照準を合わせる政治哲学と、テキスト解釈と歴史的文脈から政治的思考を読み解く政治思想史。それぞれの特徴や目的は? 共同研究はできるのか? こうした「方法」をめぐる問いを、「リベラリズム」や「熟議民主主義」など多様なトピックに焦点を合わせて議論し、政治哲学研究の最前線を明らかにする。

はじめに[宇野重規]

第1回 ロールズ思想とは何だったのか─政治思想史と政治哲学の現在

  • ロールズの思想的「変遷」と哲学の方法[井上 彰]
  • 思想史家としてのジョン・ロールズ─政治哲学者による政治思想史をどう受けとめるか?[犬塚 元]
  • パネルディスカッション

第2回 リバタリアニズムの可能性

  • リバタリアニズムは特定の道徳理論からよりも、ある種の価値観から出ている[森村 進]
  • リバタリアニズムの可能性[広瀬 巌]
  • パネルディスカッション

第3回 道徳理論としての利己主義

  • 利己主義の道徳理論は存在するのか[重田園江]
  • 道徳理論としての利己主義と合致の問題[押谷 健]
  • パネルディスカッション

第4回 リベラリズムの歴史を考える

  • リベラリズムはどのように理解可能か─三つの方法の紹介[馬路智仁]
  • 「自由」の語られ方─一九~二〇世紀の日本を中心に[趙 星銀]
  • パネルディスカッション

第5回 政治思想における過去の受容と継承

  • はじめに─政治思想における過去の受容と継承[古田拓也]
  • 一七世紀から一九世紀の日本政治思想における過去の受容と継承[柳 愛林]
  • 政治思想における過去の受容と継承─近代フランスにおけるタキトゥス受容の意義[関口佐紀]
  • 「書き手」とは何か─報告へのコメント[上村 剛]
  • パネルディスカッション

第6回 熟議民主主義を再び考える

  • 「的確な位置づけ」と「熟議民主主義的な視座」─熟議民主主義研究の二つの物語[田村哲樹]
  • 規範的民主主義擁護論から熟議民主主義論を再考する[田畑真一]
  • パネルディスカッション

あとがき[加藤 晋]

パネルディスカッション構成:[斎藤哲也]