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研究

社研セミナー

社会調査データの可能性:夫婦関係の諸相を手がかりに
鈴木富美子(社会科学研究所)

日時:2019年12月10日 15時00分-16時40分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 社会調査(量的調査)では、通常、調査票を用いて、データの収集が行われる。その際、社会調査から何を明らかにできるのかは、調査票で「何を聞くか?」(調査項目)はもとより、「どのようにデータを集めるのか?」(データの取り方)が重要となる。データをどう取るかは、単に調査方法論上の問題にとどまらず、夫婦関係を捉える「視点」と密接に関連するからである。

 本報告では、報告者がさまざまな社会調査データをもちいて行ってきた研究の中から、主として「夫の家事・子育て関与と夫婦関係」に関する分析事例を紹介する。具体的には、観察回数(1時点か複数時点か)と「観察対象」(個人か夫婦ペアか)を2軸とする4象限を作成し、各象限に対応する調査データ(横断データ、反復横断データ、パネルデータ、夫婦ペアデータ、夫婦ペアパネルデータ)から夫婦関係の諸相を描いていく。それぞれのデータが明らかにできること・できないことを確認しながら、社会調査データのもつ豊かな可能性について考察したい。


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