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研究

社研セミナー

「グローバル・インクルージョンへの日本の課題」
(大沢真理教授最終報告)
大沢真理(社会科学研究所)

日時:2019年3月6日(水)14時30分-15時15分(14時15分開場)
場所:福武ラーニングシアター(福武ホール

 第二部「様々な学問領域への影響・含意・展開可能性」、第三部「総括討論」(15:15-17:30)を行います。こちらもご関心のある方はぜひご参加ください。詳細はこちらをご覧ください。

報告要旨

 国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)は、主として途上国の課題であり、日本を含む「先進国」にとっては国際協力の領域であるとみなされがちではないだろうか。だがそれらの達成は、まぎれもなく日本国内の課題でもある。また、目標17項目は並列されているが、たとえば第5項目のジェンダー平等の実現は、少なくとも第1(貧困撲滅)、第2(飢餓の根絶)、第3(健康と福祉)、第4(教育)の諸項目の中心的な局面にほかならない。
 これにかんしてイギリスの経済学(批判)者ケイト・ラワースの『ドーナツ経済学』(2017)は、資源や環境を地球システムが包摂できる範囲に収め、人類の全員が経済的にも文化的にも排除されないというSDGs17項目の構造を、求心力に富むイメージで示している。
 報告者は従来、日本の生活保障システムについて、ジェンダーの視角から、OECD諸国との比較や時系列の比較検討をおこない、その深刻な機能不全ないし逆機能を指摘してきた。ドーナツ経済学に触発され、本報告ではグローバル・インクルージョンに向けて日本の生活保障システムに求められる課題を考察したい。


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