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研究

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非正規雇用をめぐって (仁田教授最終報告)
仁田道夫(社会科学研究所教授)

日時:2011年 3月 8日 15時-17時
場所:小島コンファレンスルーム(経済学研究科学術交流棟2階)[map]

報告要旨

 日本における非正規雇用問題は複雑だが、その現状を適切に把握するには、非正規雇用・就業の多様性に着目し、それら雇用・就業形態相互の関係を明らかにすることが必要である。すなわち、1)自営業セクターが縮小し、非正規雇用が拡大したというこの間の変化は、雇用・就業における格差の拡大というよりは、格差の形態変化と見るべき部分が少なくないこと、2)2001年前後における統計上の非正規雇用急増の一部は、調査票の変更による過大評価であること、3)パート・アルバイトなど短時間就業中心型の非正規雇用と異なるフルタイム型非正規雇用として契約社員・派遣社員の割合が高まっていることなどを指摘する。そして、政策上喫緊の課題となっているのは後者の契約社員・派遣社員グループであり、その処遇をいかに改善していくかが重要であることを、統計データの解釈を通じて明らかにしたい。


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