(A03)最適税制論理論モデルと徴税率フィールド実験
過去20年の公共経済学研究において、実証研究の因果効果の推定値などを、伝統的な税・社会保障政策の理論に取り入れ、社会的に望ましい政策への定量的考察を得るための理論的枠組みが整備されてきた。しかし、既存の研究では、税や社会保障などの異なる政策領域におけるモデル間の関係が明らかとなっておらず、また、これらモデルが応用されていない政策領域が残っている。
本研究では、以下の2つの課題に取り組む。まず、最適税制論の発展では、税の業務データから推定できる家計の行動や所得分布に関するパラメータから、望ましい税率の累進性や控除などについてどのように結論づけられるかを体系的に整理するモデルを考案する。 徴税実務に関するフィールド実験では、税徴収率を改善し、その行政負担を軽減したい自治体と協力し、税徴収施策の効果を推定するランダム化比較実験(RCT)を実施し、理論的枠組みに基づいて議論する。
メンバー
-
古川 知志雄横浜国立大学国際社会科学研究院准教授
研究代表者 -
別所 俊一郎早稲田大学政治経済学術院教授
研究分担者
研究協力者
-
鈴木 崇文愛知淑徳大学ビジネス学部 准教授
-
川窪 悦章大阪大学大学院国際公共政策研究科 講師