FAQ

Q なぜ、わざわざ英語で本を書かねばならないのでしょうか?
東京大学のスタッフであるということは、世界的に卓越した大学の一つに所属する研究者であり、あなたの研究が重要であることを意味します。英語で本を出版することは、大学にとってのみならず、あなたのキャリアや個人的評価にとっても有益です。また、東京大学のスタッフにとって、学界において長く支配的だった西洋的な視座に代わる見方を示す役割をはたすことが重要です。
Q 海外の出版社は、本当に私の研究に興味を持ってくれるでしょうか?
大丈夫です。出版社は毎年新しい本を出版しなければならないため、喉から手が出るほど原稿を欲しています。さらに、近年の顕著な傾向として、主要な出版社は刊行リストに非西洋圏の書籍を加えるようにしています。現在は、英語で本を出すのに最適な時期なのです。
Q 既にある自著を英語に翻訳することは可能でしょうか?
可能です。原則的には、最初から英語で書き始める方がしばしば望ましいのですが、既にある日本語の本を基に、新たにより良い本を英語で出版することもできます。
Q 既にある一連の論文をまとめて、一冊の英語の本にすることはできますか?
可能です。そのようにして生まれた最善の本もあります。ただし、論文をまとまりのある書籍の水準にするためには、一定の編集作業が必要になります。
Q 自分の分野では、書籍は専門雑誌の査読論文と比べてあまり重要でないので、時間の無駄ではないでしょうか?
すべての研究分野の最高の研究者たちは本を出版しており、それがその分野における彼ら・彼女らの地位を確固たるものにしています。これは経済学、法学など、雑誌論文に比重を置く諸分野についても同じことが言えます(主要大学の各部局のトップ研究者のプロフィールを見てください)。本を出すことで、雑誌論文では不可能な広さと深さでテーマを追究することができます。そのことによって、あなたは各分野の指導的研究者であると認められるのです。
Q 私のキャリアでは、英語での書籍化を目指すには早すぎるのではないでしょうか?
むしろ逆です。有名出版局からの書籍出版を履歴書に加えることは、採用や昇進を決める際の重要な要素となります。
Q もうすぐ退職するので、英語での書籍出版は遅すぎるのではないでしょうか?
あなたは、長年をかけて培ってきた豊富な経験や深い知識において卓越した、熟練した研究者です。必ずや価値のある書籍を生み出すことができます。ご自身の研究人生の集大成として英語の著作を刊行し、学術界に語り継がれる作品を残しましょう。