1.研究活動
1)全所的プロジェクト研究,グループ共同研究等
プロジェクト運営委員としてプロジェクトの成果本に関与するとともに、90年代の日本の内政と外交を扱う「国内政治プロジェクト」(現代政治経済研究会)と「国際関係プロジェクト」(国際政治経済研究会)の運営に参加した.双方のグループとも,共同研究の第二段階として,科学研究費の交付を受け、研究会(グループプロジェクトセミナー)をほぼ毎月1回の割合で開催して、本格的に始動した.国内政治プロジェクトの共同研究のテーマは「選挙制度改革の実証的評価」,国際関係プロジェクトの共同研究テーマは「アジア太平洋地域における多国間国際協力の制度化の条件」(代表グレゴリー・ノーブル教授)である.
2)その他の研究
①概観 今年度も経済国際化への先進諸国の対応の一環としての日本の財政政策と不良債権処理の研究と,そのような国内対応に根ざした日本の対外経済政策の国際的影響に関する研究を進めた.
②日本の財政金融政策の先進国比較 早期の単行本完成をめざしているが,まだ目標に達していない.ただ、昨年度年報にも触れた、日本と同様に80年代から低インフレ国で,その分,90年代にディス・インフレ的改革を断行する必要性に迫られず,そのためか経済が停滞しているドイツとスイスとの近接比較の一端が、日本スイス比較政治プロジェクトの中の一篇やその大幅改定をした邦文雑誌論文や紀要論文として公刊された.関連して、90年代の日本の財政金融政策に関してはいわゆる「プロジェクト成果本」の原稿としてこれまでの議論を整理するとともに、その際の、財政金融政策と選挙制度改革後の政党政治の変化の関連についても、プロジェクト共同研究との関係で、研究会やワークショップを重ねた.その基本的視点を形成するのに今年の日本の政治状況を展望する雑文執筆の機会を使った.
③アジア太平洋の国際政治経済 特にアジア太平洋の経済相互依存の拡大と分断国家を中心とした冷戦期対立の継続という経済と政治の齟齬についての研究は,新しいグループプロジェクト研究の一端としてすすめ、特に先進諸国の防衛支出とそれをめぐる実証的計量分析の準備をした,因みに、昨年度年報で言及したアジア地域の金融協力の不発の原因を探った論文の日本語版が刊行された.
3)海外学術活動
- 日本学術振興会サンフランシスコ支部・カリフォルニア大学バークレー校日本研究センター共催の「日本と東アジア研究」シンポジュームおよびワークショップに参加(05年3月)
2.「今後の研究テーマ」
- 90年代初頭の国際的不況への政策的・政治的対応の比較政治経済分析
- 戦後の経済相互依存下の防衛政策への民主政治とアメリカの存在の影響に関する国際政治経済分析
3 .研究業績
①“The Problem of Macroeconomic Crossroads: Explaining the Economic Policy Paradox of Switzerland and Japan in the 1990s,” Swiss Political Science Review, 10-3 (2004), pp. 137-178.
②「国際経済交渉と政策選好-アジア金融危機を事例に」藤原帰一・李鐘元・古城佳子・石田淳編『国際政治講座3 経済のグローバル化と国際政治』、東京大学出版会、2004年、87-144頁.
③「90年代国際的ディスインフレ期の不況と経済政策選択-ドイツ、スイス、日本の景気低迷・政策対応と政策選択的視角の重要性-」『社会科学研究』56-2、2005年、3-54頁.
④「国際的不況とディスインフレ的経済規律―経済政策における選択肢と90年代長期経済停滞の日本・スイス比較」『レヴァイサン』36号(2005),105-145頁.
⑤“Japan in 2004: ‘Courageous’ Koizumi Carries On,”Asian Survey, XLV-1 (2005), pp. 41-53.
4.研究業績(年報用)
①“The Problem of Macroeconomic Crossroads: Explaining the Economic Policy Paradox of Switzerland and Japan in the 1990s,” Swiss Political Science Review, 10-3 (2004), pp. 137-178.
②「国際経済交渉と政策選好-アジア金融危機を事例に」藤原帰一・李鐘元・古城佳子・石田淳編『国際政治講座3 経済のグローバル化と国際政治』、東京大学出版会、2004年、87-144頁.
③「90年代国際的ディスインフレ期の不況と経済政策選択-ドイツ、スイス、日本の景気低迷・政策対応と政策選択的視角の重要性-」『社会科学研究』56-2、2005年、3-54頁.
④「国際的不況とディスインフレ的経済規律―経済政策における選択肢と90年代長期経済停滞の日本・スイス比較」『レヴァイサン』36号(2005),105-145頁.
(雑文)
⑤ “Japan in 2004: ‘Courageous’ Koizumi Carries On,”Asian Survey, XLV-1 (2005), pp. 41-53.
5.教育活動
1)大学院
法学政治学研究科で政治学特殊研究(「先進諸国の比較政治経済」(四単位))
公共政策大学院(「国際政治経済」(二単位)、「事例研究(国際政治経済)」(四単位))
2)学部
教養学部総合社会科学科で政治学理論(「政治経済」(二単位))
6.学内行政事務等
所内:プロジェクト運営委員,紀要編集委員
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