今川拓郎・松村敏弘
1年生班は、ミクロ、マクロ、計量を学ぶ前に、具体的な事例に取り組み、 今後学ぶこれらの分析道具を使いこなすためのイメージを作ることが目的です。 最終的に提出するレポートは、既に学んだ道具を使いこなした成果ではなく、 これから学ぶ際の出発点という性格を持っています。 したがって、レポートの完成度は必ずしも高くなくとも、使った道具が若干不適切であったとしても、 後になって「こうすればより良いものになった。そのことがミクロ・マクロ・計量を学んで認識できた。」 と実感できれば、コース全体として成功であるといえます。 公開したレポートを読まれる方はそのような性格のレポートであることをご承知おき下さい。 2年生班は1年間かけて調査を行うレポートの中間報告です。 最終的な報告書は冬学期末までにまとめることになっています。
(1)2年生班: 酒本隆太・笹本将吾
報告書タイトル:携帯電話市場における垂直統合型ビジネスモデルの経済分析
―端末開発と消費者便益に与える影響―
報告書.doc
(1) 1年生班:遠山祐太・西村仁憲・藤井大地
報告書タイトル:ブロードバンドインターネット普及に関する実証分析-普及率上昇のための要因分析-
要旨
総務省は2011年を「完全デジタル元年」とし、現在、様々な取り組みが行われている。
現在、最もブロードバンド政策で重点的に行われているのはインフラストラクチャーの整備である。
まだ、ブロードバンド、超高速ブロードバンドの整備が行われていないブロードバンド・ゼロ地域を解消するために政策が行われている。
しかし、ブロードバンドが整備されただけでは本当に世の中の便益や生産性などが上昇したと言えるのであろうか。
この論文ではブロードバンド・ゼロ地域が解消された先にある問題としてインターネットの利用面に着目して分析を進めて行く。
第1章では現状分析と問題提起を行う。国際比較をする事で日本の現状を見る。
また、今後日本において問題になると考えられる問題を提起する。
第2章では先行研究をまとめながら分析の際の土台となる仮説を構築する。
仮説から必要な説明変数を判断し、データを編集する。
第3章で実際に分析を行う。
基本式をもとにいくつかの変数を加えながら分析を進める。
第4章ではその結果のまとめと第2章において設けた仮説の検証を行う。
第5章では分析結果からのインプリケーションをまとめる。第6章で全体のまとめを行う。
インターネットは地域の活性化や経済成長への寄与など多くの影響が期待されている現状であり、
いくつかの例からもそれは明らかである。
この論文の結果が実際の政策に結びつくには多くのステップを踏まなくてはならないが、今後のたたき台となる事を望む。
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(2) 2年生班:亀川由希子・岸上泰士
報告書タイトル:取引関係と機能水準の決定モデル~携帯端末ガラパゴス化の理論的考察~
要旨
本稿では、日本の携帯電話市場を想定し、端末メーカーと通信事業者の取引関係の違いによって、
携帯電話端末の機能にどの程度の差が生じるのかについて、簡素な経済モデルを用いて説明する。
章立ては以下の通りである。
まず、1章で日本の携帯電話端末市場の特徴と問題点を説明し、
2章において機能水準仮定の枠組みの別を紹介する。
3章でモデルを展開し、4章で結論と今後の方向性について述べる。
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(3)2年生班: 酒本隆太・笹本将吾
報告書タイトル:日本の携帯市場の現状と垂直統合型ビジネスモデルについて
要旨
本稿の目的は以下の2つである。
1つ目は現在の日本の携帯電話市場の特徴について整理し、
その問題点を指摘することである。
2つ目は垂直統合型のビジネスモデルにおいて、
端末の開発に過大な投資が発生することを経済モデルで説明することである。
日本の携帯電話市場の特徴としては、以下の6点が挙げられる。
市場の成熟化、市場シェアの固定化、料金プランの複雑化、携帯端末の高機能化、数多くの端末メーカーの市場参入、
そして通信事業者が端末メーカーに影響力をもつ垂直統合型のビジネスモデルの存在である。
このような特徴の中で垂直統合型のビジネスモデルでは、キャリアのニーズを満たす高機能端末ばかりが開発され、
消費者の選択の幅の減少や端末メーカーの国際競争力の低下といった問題が生じていることがわかった。
1章の問題整理を受けて、2章では垂直統合型のビジネスモデルにより、
端末に対する開発投資が過大になることを経済モデルによって示した。
具体的には端末メーカーと通信事業者が完全分離し、
端末メーカーが自らで開発投資の水準を決定できるケースと開発投資水準を通信事業者が決定する垂直統合型のケースを比較した。
垂直統合型のケースでは1段階目で通信事業者が開発投資の水準を決定し、
2段階目で端末価格と通信料のパッケージの価格を決定するゲームを想定した。
以上のモデル分析から完全分離のケースの開発投資の水準を最適と仮定すれば、
垂直統合型のケースでは過大な開発投資が行われることがわかった。
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