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研究

社研セミナー

「『ドイツの政治』とドイツの政治」
石平島健司(社会科学研究所)

日時:2018年1月9日 15時00分-16時40分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 危機のただ中にあるEUを襲ったブレクジットの決定、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領の登場、さらにはポピュリスト政党の席巻という事態にあって、欧州が頼みの綱としたのはメルケル首相率いるドイツであった。しかし、去る9月に行われた連邦議会選挙では、前与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社民党(SPD)がそろって歴史的大敗を喫し、そのために新政権成立の見通しはいまだに立っていない。それどころか、組閣の遅れは欧州全体の停滞にさえ及んでいる。これまで政治的安定を誇ってきたドイツに一体何が起こっているのだろうか。

 3月に刊行した新著『ドイツの政治』では、これらの二大政党が中心となり、1990年の国家統一が残した課題を解決すべくさまざまな制度改革が積み重ねられた過程が分析の対象となった。しかし、二大政党はその後のリーマン・ショックに始まる金融・債務危機あるいは難民危機に対する対応を繰り返すうちに統治能力を枯渇させてしまったのだろうか。ドイツもまた、ポピュリスト政党の台頭から免れないのか。『ドイツの政治』を読み解きながらこれからのドイツの政治を考えてみたい。