社研セミナー

「職業を測る―日本版職業的地位尺度の開発と適用―」
藤原 翔(社会科学研究所)

日時:2016年6月14日 15時00分-16時40分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 格差や不平等に関心をもつ社会階層研究者は、個人あるいは世帯員の社会的地位を検討する上で、職業に注目してきた。日本の社会階層研究では、職業の情報をもとにカテゴリカルな区分としての階級分類(EGPなど)や職業分類(SSM職業分類など)そして連続的な指標としての職業威信スコアなどが作成され、格差・不平等の実態や趨勢が明らかにされてきた。海外では連続的な指標に関しては、古くから職業威信スコアに加えて、社会経済指標や社会的地位指標の開発が進められており、様々な社会階層研究に適用されてきた。しかし、社会経済指標や社会的地位指標の作成に必要なデータが日本では限られていたため、その開発が試みられることはほとんどなかった。そこで本研究では、統計法の全部改正にともなって利用可能となった「就業構造基本調査」の個票データを用い、2つの社会経済指標(JSEI-1とJSEI-2)と1つの社会的地位指標(JSS)を作成し、その特徴を検討する。そしてこれら新たな指標を用いた場合、従来の地位達成モデルの見え方がどのように変化するのかを明らかにする。また、社会意識や中学生の将来像に関する研究に、この指標を適用する。以上の作業を通じて、社会経済指標と社会的地位指標の有効性、さらに社会科学的研究において職業に注目することや職業を測ることの有効性を示したい。

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