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社研卒業生の現在(いま)

藤森 宏明 さん

現在、北海道教育大学大学院でご活躍されている藤森宏明さんに、社研在籍当時や、最近のご様子についてお話を伺いました。

藤森宏明さん

北海道教育大学教職大学院は、メインの授業を札幌・旭川・釧路を双方向カメラでつないで行う「遠隔システム」で行っています。
後ろの大型スクリーン、手前のマイクはその為のものです。

プロフィール

藤森 宏明(ふじもり ひろあき)

北海道教育大学大学院教育学研究科(准教授)
専門分野:教育行政学・教育社会学

社研在職期間:2008年10月-2010年3月

特任研究員

 私は、2008年10月から2010年3月まで「近未来の課題解決を目指した実証的社会科学研究推進事業 生涯成長型雇用システムプロジェクト(通称「近未来プロジェクト」)」の特任研究員として社研に在職いたしました。

 2006年度に北海道から東京に戻り、大学非常勤講師の傍ら佐藤香先生に研究指導を受けつつ、アルバイトで社研に足を運ぶ毎日でした。「社研でよく見かける不思議な人」だったと思います。そんな折、2008年度後期に本プロジェクトが立ち上がり、縁あって着任しました。

 着任当初は業務の内容自体を把握するのにとても苦労し、自他ともにハラハラしながらも多方面の方々からの叱咤激励の中、何とか働いていたように思います。

 私が携わった仕事は、一言でいえば「研究事務職」です。「計画通りに黙々と仕事を行う」よりは、「蟻の目・鳥の目で組織の運営上の課題をいち早く発見し周囲に相談しつつ動く」側面の多い仕事でした。そのため上司の玄田先生、黒田先生、そして佐藤香先生をはじめ、諸先生方や事務職員の方々とのコミュニケーションを密に仕事をしておりました。今思えば些細でどうでもいいようなことから、見過ごしたら大事件になるようなことまで、いちいち報連相する日々でした。たとえ順調に進んでいても「何か忘れていないか?」とびくびくしつつ、四六時中仕事のことを考えていたように思います。「多忙感」という言葉がまさにぴったりという感じでした。周りの方々には相当面倒をかけたのではないでしょうか。

 しかし、楽しみながら仕事をしていることもありました。ほぼ毎月開催されていた「雇用システムワークショップ」「二次分析研究会」の運営です。「雇用システムワークショップ」では、教育学の分野ではなかなか聞くことのできない企業経営的な側面からも話を聞くことができました。現在の職場(教職大学院)では「学校経営」「学級経営」関係の授業をおもに担当していますが、近年学校も経営的側面で課題を考える傾向が強くなってきているだけに、大変参考になっています。また「二次分析研究会」では、異分野の先生方による指導に触れることができ、毎回自分の思考が広がったり深まったりすることが楽しみでした。教職大学院の院生指導では複数の指導教員によって多面的な視点から学校課題を分析するようなことがよくあるのですが、ものの見方、考え方について、ここでの経験が活かされているように思います。

 一番印象に残る思い出は、二次分析研究発表会の前日です。発表会の準備で朝からずっとばたばたして、頭がくらくらしてきたときでした。石田先生や赤門研究棟5Fの先生方が、突然ぞろぞろと現れ、会場設営のお手伝いをしてくださいました。どうやら私の動きは観察されていたようです。感謝の気持ちでいっぱいになるとともに、社研に育ててもらっているなあと思えた瞬間でした。在職期間こそ一年半と、決して長くはなかったのですが、非常に貴重な経験をさせていただいたと思います。


エゾリス

 今でも社研の活動は社研メールニュースなどで見ております。また、たまに学会等でお世話になった先生方にお会いすると、昔の自分に戻ったような気分にもなります。それほど私にとっての社研は大きなものですし、これからも関わりを大事にしたいと思います。


クマゲラ


(なお、写真は現在の勤務先の学内の様子です。森の中という感じで、エゾリスや、クマゲラがたまに出没します。また、ネズミやカラスのたまり場にもなったり、スズメバチの巣の駆除で騒動になることもあります。)


「雇用システムワークショップ」と「二次分析研究会」は毎回盛況で、運営は大変だったと思います。お疲れ様でした。自然豊かな旭川キャンパスでのますますのご活躍をお祈りしています。(冬はキタキツネにも会えますか?)

(2014年10月3日掲載)

最近、嬉しかったことは何ですか?

右の写真は、嵐山展望台からの風景です。本学から約6キロ西にあり、人口35万都市の旭川を一望できます。
実はこの写真を撮りに(無謀にも)自転車で行く途中、想定外の炎天下や砂利の坂道で、グロッキー状態になってしまいました。そんな折り、通りすがりの心優しい男性の方に介抱していただき、さらには自動車にも乗せていただき、何とか撮影したものです。こんな見ず知らずの私にご親切にしていただけるとは、本当にありがたいと感じた出来事でした。

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