福井県における「要介護認定業務に関する調査研究」

 調査への御協力誠にありがとうございました

東京大学社会科学研究所は、全所的プロジェクト研究「ガバナンスを問い直す」のローカルガバナンス班の研究の一環として福井県において「要介護認定業務に関する調査研究」を実施いたしました。

本調査は、2012年2月下旬から3月上旬と「要介護認定業務担当課・担当職員アンケート」と、2012年6月下旬から7月上旬にかけて実施した「要介護認定・認定調査員の業務の実態についての調査研究」「介護認定審査会委員の業務の実態についての調査研究」「要介護認定経験者の要介護認定への認識に関する調査研究」の4つの調査から構成され、いずれも郵送自記式アンケートとなります。

以下、本調査結果を報告いたします。 こちらのページをご覧ください。

・福井県における要介護認定業務担当課・職員アンケート
・福井県における要介護認定認定調査員の業務の実態についての調査
・福井県における介護認定審査会委員の業務の実態についての調査
・福井県における要介護認定経験者の要介護認定への認識に関する調査研究

調査結果のポイントは以下の通りです。

・ 各関係者同士(行政職員同士・行政と認定調査員、行政と審査会委員など)のコミュニケーション形態が双方向ではなく一方向であることが伺われる。
・ 特に認定調査員は審査会の方針を、審査会委員は行政の施策や方針を理解していない。
・ 認定調査員・審査会委員・行政職員の3種類の関係者のうち、市民に近い関係者ほど業務の満足度が下がっている。
・ 認定調査員は家族が介護度を重くしてほしいと考えている、と感じている。
・ 審査会委員は限られた時間の中で、ポイントを絞り、資料の読み込みをしている。合議体メンバーとは協調的である。
・ 認定経験者の85%が認定調査員の態度に高評価。約6割の回答者が認定調査の公平性や介護保険制度を高く評価している。

 

本調査は複数の自治体かつ1つの県内のほぼすべての自治体を対象に、要介護認定業務に関して行政職員だけでなく、認定調査員・審査会委員・要介護認定経験者という関係者への包括的な社会調査としては初めてのものとなります。地方分権の試金石と言われた介護保険制度がスタートして約10年経過しました。福井県は要介護認定に関する様々な指標において、他県と比べ、県内の保険者ごとの違いが大きくありません。このような特徴をもつ福井県の要介護認定担当部署職員や調査業務・審査会業務を行っている要介護認定・認定調査員、要介護認定審査会委員の、業務実態および職務環境、さらに認定調査を受ける市民の(主に家族介護者を想定し)認定に対する認識を様々な角度から調査し、要介護認定の特徴に関する基礎資料を得るとともに、制度全体への課題を明らかにすることが期待されています。

【調査票の配布数・回収率】

response rate

 

尚、本アンケート調査は文部科学省科学研究費「地域住民の生活保障と多機関連携(ローカル・ガバナンス)の 制度構築(基盤研究(B)一般22330020)、研究代表者:佐藤岩夫」、「福祉国家再編期の自治体における政策実施の多様性の要因の解明(研究活動スタート支援 23830015)、研究代表者:荒見玲子」の研究成果の一部です。

また、本調査については東京大学ライフサイエンス委員会倫理審査専門委員会に申請し、調査対象者への倫理的配慮、及び個人情報の保護について承認を受けています。

 

【本調査に関するお問い合わせ先】
〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学社会科学研究所 全所的プロジェクト
「要介護認定業務に関する調査」企画実施委員会 (担当:荒見玲子[2014年度より名古屋大学])
E-mail: rarami@law.nagoya-u.ac.jp

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