研究活動

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近代日本のローカル・ガバナンス

報告要旨

 ローカル・ガバナンスとは、①政府と民間のアクターが多元的である、②政府と民間の間を含め、アクターの間に双方向の影響関係がある、③影響関係について、統治や委任・服従といった統治者・被治者間で想定される類型を一義的に割り当てることはできない、という状態であると考える。
 したがって、ローカル・ガバナンスという用語は、それだけでは、現実のあいまいさや複雑さを強調するのみであって、分析の助けになるとは考えにくい。
 もっとも、ローカル・ガバナンスが要請される状況であるか、ローカル・ガバナンスの度合いが強まっているか、などについて議論することはできる。しかし、報告者の考えでは、ローカル・ガバナンスが要請されるのは新しい現象ではなく、近代日本の地方はほぼ恒常的にこの要請の下にあった。その経緯をたどることで、これ以上の議論の空転を避ける準備をするというのが、報告の目的である。
 こうした観点から、明治地方自治制の成立、地方改良運動、新生活運動を、それを推進する論理と地域社会の反応に着目して考察する。

 (注) 通常と異なり木曜日の開催です。また、今年度から開始時間が10分早まります。

          
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