「ガバナンスを問い直す」は東京大学社会科学研究所の全所的プロジェクト研究(2010年度―13年度)です。

 ガバナンスをめぐる議論には、こんにちの世界と日本がかかえる課題が凝縮しています。この研究は次の2つの視角を重視します。
 多層で多様なガバナンスの分析と総合:生活保障、ローカル・ガバナンス、市場・企業などの組織やシステムについて、それぞれのガバナンスを固有の構造・文脈にそくして分析する必要があります。同時にこの研究は、多様なガバナンス論に共通する関心や相互の補完性を問い直し、総合していきます。
 なぜガバナンスという問題設定なのか:ガバナンス論の多発的な展開は、何を意味するでしょうか。既存のガバナンス論は、それぞれの問題設定の意義に十分に自覚的であったでしょうか。この研究は、ガバナンスという問題設定を招来した要因とともに、その有効性を問い直します。
 法学・政治学・経済学・社会学などの領域横断的に研究を進め、現代社会の課題に対処する適切なガバナンスを展望し、さらに創造的な理論化に貢献することをめざします。

刊行物

2016年11月に全所的プロジェクト成果本が2冊刊行されました(2016年11月現在)。ディスカッションペーパーおよびデータ集については「研究成果」をご参照ください。

書籍

『ガバナンスを問い直す Ⅱ 市場・社会の変容と改革政治』
東京大学社会科学研究所 編, 大沢 真理 編, 佐藤 岩夫 編
東京大学出版会
2016年11月発行

『ガバナンスを問い直す I 越境する理論のゆくえ』
東京大学社会科学研究所 編, 大沢 真理 編, 佐藤 岩夫 編
東京大学出版会
2016年11月発行

『企業統治の法と経済 ― 比較制度分析の視点で見るガバナンス』
田中亘・中林真幸 編
有斐閣
2015年4月発行

『ローカルからの再出発 ― 日本と福井のガバナンス』
宇野重規・五百旗頭薫 編
有斐閣
2015年1月発行

『生活保障のガバナンス ― ジェンダーとお金の流れで読み解く』
大沢真理 著
有斐閣
2014年1月発行

『復興を取り戻す ― 発信する東北の女たち』
萩原久美子・皆川満寿美・大沢真理 編
岩波書店
2013年4月発行

社会科学研究所 研究シリーズ

社研リサーチシリーズ(No. 55) Reconsidering Governance(PDFファイル、1.1MB)
2013年12月発行

社研リサーチシリーズ(No. 51) 『震災復興のガ バナンス(第2回臨時セミナー記録)』(PDFファイル、16.9MB)
2012年8月発行

紀要特集

『社会科学研究』第65巻1号 「特集 福井県における生活保障のガバナンス」
2014年5月発行

このページの先頭へ