東京大学社会科学研究所

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自己点検・自己評価報告 各所員の研究活動

鈴木(差波)亜紀子

1.経歴

1989年3月 東京大学文学部国史学科卒業
1993年4月~95年3月 日本学術振興会特別奨励研究員
1996年3月 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位修得済退学
1996年4月~97年3月 同 研究生
1997年3月 博士(文学)取得(東京大学)
1997年4月 東京大学社会科学研究所助手

2. 専門分野

比較現代経済大部門,専門分野:日本経済史

3. 過去10年間の研究テーマ

  1. 幕末・明治期における流通機構再編の研究
  2. 明治期における交通の発達と流通機構再編の関係の研究
  3. 製糸技術の改良における政策および流通業者の役割の研究
  4. 洋樽製造技術の定着にみる、技術導入時における職人の役割の研究
  5. 明治期における問屋制度の研究

4. 1998年度までの主要業績

  1. 「鉄道開通以前における青森県運輸網の再編」『交通史研究』24号、交通史研究会
  2. 「近世近代移行期における地方都市新興商人」吉田伸之・高村直助編『商人と流通』山川出版社
  3. 「汽船と道路」高村直助編著『産業革命』吉川弘文館
  4. 「初期輸出向け生糸の品質管理問題」『史学雑誌』105編10号、史学会

5. 社会科学研究所における自己の研究分野と研究活動の位置づけ

研究所におけるわたしの所属分野は、比較現代経済大部門のなかの産業経済である。 従来、具体的に研究テーマとしてきたのは、幕末から明治期にかけての商品流通機構の再編の問題と、同時期における新技術導入過程の解明である。両者は、広い意味での情報の伝達に関わる問題だという点が共通している。大部門との関係でいえば、以上の研究テーマは、現代経済の源流を探る一助になり得ると考えられる。というのも、現代経済の源流は、かなりの部分、幕末開港後の変化に求められると考えられるからである。当時の社会経済的変化について、近年その地方的ひろがり、あるいは主要産業にとどまらない各部門での対応の解明が進みつつあり、その中に、中央と地方の関係の変化を、流通機構の面から解明しようとするわたしの研究も位置づけられるからである。

社会科学研究所の環境は、とくに次のふたつの点でわたしにとって有益である。第一に、他のアジア地域研究者など、所のスタッフの研究を見聞することによって、政治や経済の面における中央と地方の関係、距離といった事柄を、日本と比較対照して考える機会を得ている。これは現代日本の研究をおこなっているスタッフ、あるいは外国人研究員として来所している研究者の場合にも共通している。第二に、地方の流通の経営史料などの調査をおこなうにあたり、研究費が利用できることによって大きな便宜を得ている。

6. 今後の研究テーマ

戦前期日本の問屋制度の研究
Study of history of wholesale business in pre-war Japan

7. 主な教育活動

なし

8. 所属学会

史学会,日本史研究会,社会経済史学会,交通史研究会

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